「ねえ、皆……私のカラダを探して」







ベッドの枕付近に座ってこちらを見ている遥が……私達にそう言ったのだ。


遥が現れて、しばらく放心状態だった私達。


まさか、騙すなんて事をしてくるとは思わなかった。


高広は、こんな状況でも眠っていたのだろうか……。


だとしたら、鈍感にも程がある。


「はぁ、いつまでこんな事が続くんだろ……」


ガックリとうなだれて、留美子が愚痴をこぼす。


そんなの、「カラダ探し」が終わるまで続くとしか言えない。


「今日は……どこに行くの? また、音楽室に行く? 「昨日」は、全然調べられなかったし」


遥に驚かされて、すぐに考えなければならない。


こんな状態で、考える事なんてできるはずがないのに。


「じゃ、玄関が開いたら音楽室にダッシュね。私、それまで寝る。もう疲れた……」


そう言い、留美子が倒れるように横になった。


私も眠りたい……眠る事で、少しでも精神を落ち着けたい。


「じゃあ、私も寝る……理恵も寝ようよ。嫌な事は忘れてさ」