そして、突然立ち上がると私と理恵を見て。


「俺、市立図書館に行ってくるわ……」


そう呟いて、図書室を出ていった。


私達は、あまりに突然の、翔太の発言に、何も言えないまま……その背中を見送るしかなかった。




翔太が図書室を出て行って、それから学校に戻る事はなかった。


放課後になり、「昨日」と同じように理恵と留美子が私の家に来ていた。


皆、平静を装ってはいるけど……精神的にかなり疲れている事が、留美子を見ているとわかる。


私の部屋に入るなり、ベッドに横になる留美子。


そして、私と理恵を無視して、スースーと寝息を立て始める。


「疲れてるね……やっぱり」


理恵が溜め息をついて、床に腰を下ろした。


「そりゃあね。何回同じ日を繰り返してるか……私だって疲れるよ」


椅子に腰かけて、私もフウッと溜め息をつく。


もう、私も頭が痛い。


「カラダ探し」の事に健司の事、八代先生の事、そして「小野山美子」の事。


いろんな事がありすぎて、何から考えるべきなのかわからない。