四限目が始まり、先生達に見つからないように移動した私達は、図書室で調べものをする事になった。


西棟と東棟をつなぐ、南側の二階の渡り廊下。


その中間にある図書室には、卒業アルバムがある。


私達は、それを手分けして「小野山美子」という名前を調べてみたけど、卒業生の中にその名前はなかった。


「無いな……調べろって、一体どう調べればいいんだ? 俺達は『小野山美子』の顔も知らないのに」


頭を抱えて、テーブルに伏せる翔太。


髪をグシャグシャにかき乱して。


「あんたがさっき言ってたみたいに、適当な言葉を言われただけなんじゃない? やっぱり……」


調べる事に飽きたのか、漫画を読み始めた留美子。


高広はと言うと……陽当たりの良い席で、眠りに就いている。


「理恵、何かあった?」


「んー、これと言って無いかな?」


私達もこんな感じで、人探しも暗礁に乗り上げている……そんな雰囲気が漂っていた。


「もしかしたら、この学校とは関係のない人じゃないのか?だとしたら、図書室なんかじゃダメだ……」


「『カラダ探し』に関係してるなら、学校の関係者じゃないの? そうだと思ったんだけど」


そうたずねた私を見もせずに、変わらず机に伏せたままの翔太。