八代先生が、その不気味な顔を私達に向ける。


必死に言葉を探しても、私なんかが思いつくはずもなく。「昨日」という言葉に賭けてみるしかなかった。


「えっと、『昨日』の先生に、同じ時間にここに来るように言われました……意味はわかりますよね？」


私がそうたずねると八代先生は驚いた様子で、ギョロっとした目をさらに見開いて私達を見た。


「キミ達は……あれに関わってしまったのか？　僕はどこまで話したのかな？」


良かった。やっぱり、「昨日」という言葉が重要だったんだ。


「いえ、まだ何も。『カラダ探し』の事を『呪い』と言っていました」


「そうか……じゃあ、僕に会うのは『昨日』が初めてだったわけだ」


私の言葉に、まったく考える素振りも見せずにそう答えた八代先生。


まるで、すでに答えを用意していたかのように……。


「八代先生。あなたはなぜ、今日会うのが二日目だとわかったんですか？　まるで、俺達が現れる事を知っていたかのように……」


今まで黙っていた翔太が、八代先生にそうたずねた。


こういう話なら、私よりも翔太の方が向いているかもしれない。


「僕はね、決めていたんだよ。僕の容姿がこんなせいか、興味本意で僕に、『カラダ探し』の事をきいてくる生徒がいるからね。だから、初日は必ず知らないフリをしようってね」