それは、なぜ八代先生は、私達が「昨日」を繰り返している事を知っているのか。


それが一番気になる事だ。


すでに旧校舎で待機している私達は、職員室から八代先生が出て来る時を待っていた。


「本当にあの不気味な先生が、『カラダ探し』の事を知ってんのかよ?」


待ちくたびれたといった様子で、高広が私にたずねる。


「うん、絶対に何か知ってるはずだよ。じゃないと、『昨日』が繰り返されてるって知ってるはずがないもん」


私の言葉に、賛同する留美子と理恵。


でも、翔太が、不安にさせる事を口にしたのだ。


「明日香は、その八代先生を味方だと思っているかもしれないが……もしも、『カラダ探し』をさせている側だったらどうする?」


それはわからない。


だからこそ、きかなければならないのだ。


そして、職員室から八代先生が出てきた。


でも、まだ私は悩んでいた。


八代先生に、どう声をかけるべきなのかを。


一から説明しなくても、理解してくれる為には、どう話を切り出せば良いか。


目の前に迫る先生を見ながら、その言葉を必死に探した。


「うん? キミ達は……農業科の生徒じゃないね。もしかして、サボりかい?」