私が言ったその言葉に、明らかに高広の表情が変わった。


私は昨夜、留美子が殺されてからの事を話していた。


私が刺された事、そして理恵が振り返ったら「赤い人」が現れた事。


なぜ、「赤い人」が現れたのかは、私の推測を混ぜて。


「はぁ……理恵もやるねぇ。『赤い人』を利用するなんて」


留美子の言うように、理恵は「赤い人」を利用して、健司を拒絶してみせたのだ。


もしも「カラダ探し」をさせられる前に、普通に告白していれば、理恵だって断らなかったはず。


そうなっていれば、健司の精神状態も悪くはならなかったかもしれない。


「健司は、俺だけじゃなく、明日香まで殺したのか……そうか」


怒りに顔をゆがませ、プルプルと拳を震わせる高広。


やっぱり、高広も殺されていたんだ……。


「ま、どうせ今日も学校には来ないんじゃないの? だから高広、あんた今夜こそはしっかり見張っててよね! 仲間に殺されるかもしれないなんて、最悪だし!」


「ああ、健司は……ぜってぇ許さねぇ!」


留美子の言葉で簡単に操られる高広。


今まで文句を言っていたと思ったら、上手く他人の事に置きかえて文句を言っている……。