どうやら、「赤い人」ではないようだけれど。
暗闇の中、留美子がグランドピアノを見るのに使っていた携帯電話の明かりを、その人影に向けた。
するとそこには……。
「健司!? あんた、なんでここに……てか、高広はどうしたのよ!!」
携帯電話の明かりに照らされた健司の手には、包丁が握られていて……。
その服と包丁には、血が付着していたのだ。
それは、「赤い人」にしがみ付かれて付いた血ではない。
見た事がないからわからないけど……返り血。
その言葉が、私の脳裏をよぎった。
と、なると……この血は……。
「健司……あんたまさか、高広を……?」
私の言葉に、何の反応も示さずに、ジッと理恵を見詰めたまま、ゆっくりと歩を進めた。
「な……なに考えてんのよ!! あんた本当に高広を!?」
「うるさい、黙れ!! どうせ死んだら、『昨日』戻るんだろうが! いつになったら明日は来るんだよ? いつになったら……『カラダ探し』が終わるんだよ! 後何回死ねばいいんだ!? もう、嫌なんだよ!! わけのわからないやつが俺の中に入ってくるんだ!! 俺が俺じゃなくなるんだよ!!」
狂ったように包丁を振り回して、私達に近づいて来る健司。
私達は3人でいたから、精神的にも持ちこたえていられたけれど……。
暗闇の中、留美子がグランドピアノを見るのに使っていた携帯電話の明かりを、その人影に向けた。
するとそこには……。
「健司!? あんた、なんでここに……てか、高広はどうしたのよ!!」
携帯電話の明かりに照らされた健司の手には、包丁が握られていて……。
その服と包丁には、血が付着していたのだ。
それは、「赤い人」にしがみ付かれて付いた血ではない。
見た事がないからわからないけど……返り血。
その言葉が、私の脳裏をよぎった。
と、なると……この血は……。
「健司……あんたまさか、高広を……?」
私の言葉に、何の反応も示さずに、ジッと理恵を見詰めたまま、ゆっくりと歩を進めた。
「な……なに考えてんのよ!! あんた本当に高広を!?」
「うるさい、黙れ!! どうせ死んだら、『昨日』戻るんだろうが! いつになったら明日は来るんだよ? いつになったら……『カラダ探し』が終わるんだよ! 後何回死ねばいいんだ!? もう、嫌なんだよ!! わけのわからないやつが俺の中に入ってくるんだ!! 俺が俺じゃなくなるんだよ!!」
狂ったように包丁を振り回して、私達に近づいて来る健司。
私達は3人でいたから、精神的にも持ちこたえていられたけれど……。