そう思いながら、私も保健室へと向かう。


この時はまだ、理恵が何を考えてこんな行動を取ったのか、私はわかっていなかった。


保健室に入った私達は、ベッドの下や布団の中、ロッカーに校医のデスクなど、カラダが隠せそうな場所はすべて調べてみたけれど、結果はハズレ。


改めて、「カラダ探し」が難しい事を痛感させられていた。


「無いかぁ……じゃあ、次はどこに行く? やっぱり音楽室に行く?」


ロッカーの中の物を放り出していた留美子が、溜め息をつきながらたずねる。


私としては、別にどこでもいい。


そもそも夜の学校で、行きたい場所なんてないのだから。


「そうだね、あれからけっこう時間経ったし……大丈夫かな?」


デスクを調べていた理恵が、顔を上げて答えた。


3人で行動しているおかげか、「赤い人」が近くにいない時は、少し安心できる。


心強いと言うか、一部屋を調べる時間が短くて済むから、すぐにカラダを見つけられそうな気がするのだ。


「じゃあ……行こうか、カラダがない部屋にいつまでもいても仕方ないし」


と、私が保健室のドアに手をかけると……。







『「赤い人」が、東棟三階に現れました。皆さん気を付けてください』