最初の校内放送を聞き逃したかもしれないとなると、校舎内すべてが危険地帯。
それでも私達は、生産棟の三階にある音楽室へと向かっていた。
「なんで校内放送が聞こえなかったのよ。普通、外でも聞こえるでしょ……」
ボソボソと、文句を呟いている留美子。
そんな愚痴をこぼされても。
確かに、昼間なら外にいても、外のスピーカーから校内放送は聞こえるけど。
「たぶん、放送室の中の人が、外に聞こえないように操作してるんじゃないかな?」
私もなるべく小さな声で、ささやくように答えた。
「マジ最悪。もしも廊下に出た時に『赤い人』がいたら、それで終わりじゃん」
西棟の階段の踊り場で、これ以上行くのが怖いと言わんばかりの留美子。
「大丈夫だよ。『赤い人』が近づいて来たら、足音と歌でわかるはずだから」
「あ、そっか。じゃあ行けるかな?」
そうささやいて、廊下の耳を澄ました留美子。
私も同じように耳に手を添えて、音に意識を集中させた。
「大丈夫……だよね?」
そうささやき、留美子が歩き出そうとした時だった。
それでも私達は、生産棟の三階にある音楽室へと向かっていた。
「なんで校内放送が聞こえなかったのよ。普通、外でも聞こえるでしょ……」
ボソボソと、文句を呟いている留美子。
そんな愚痴をこぼされても。
確かに、昼間なら外にいても、外のスピーカーから校内放送は聞こえるけど。
「たぶん、放送室の中の人が、外に聞こえないように操作してるんじゃないかな?」
私もなるべく小さな声で、ささやくように答えた。
「マジ最悪。もしも廊下に出た時に『赤い人』がいたら、それで終わりじゃん」
西棟の階段の踊り場で、これ以上行くのが怖いと言わんばかりの留美子。
「大丈夫だよ。『赤い人』が近づいて来たら、足音と歌でわかるはずだから」
「あ、そっか。じゃあ行けるかな?」
そうささやいて、廊下の耳を澄ました留美子。
私も同じように耳に手を添えて、音に意識を集中させた。
「大丈夫……だよね?」
そうささやき、留美子が歩き出そうとした時だった。