怒ってる留美子はいいとして、理恵の言う事が正解か間違いかはわからない。


新校舎を隅から隅まで探さなきゃならないのだから、それでも見つからなかった時にでも考えればいい事だ。


「とりあえずさ、新校舎に戻ろ? ここにいても仕方ないし」


「そうだよねぇ。いるだけ無駄だよねぇ……で? この後の事を考えてなかったけど、どこを調べるの?」


新校舎に向かいながら、私は悩んでいた。


男子3人が、一体どこの教室を調べたのかがわからない。下手をすると、すでに探した部屋を探す事になるから。


高広にきいておけばと、「昨日」言ったばかりなのに。


「音楽室とか図書室なんて……ありそうじゃない?」


ありそうかどうかは別として、夜の音楽室になんてあまり行きたくはない。


それでも理恵が行くと言うなら、付いて行こうと思っていた。


旧校舎を離れ、どの部屋を調べるのかを話し合いながら、新校舎に戻って来た私達。


結局、理恵が推す音楽室に行く事になったわけだけれど……。


理恵はわかっているのだろうか?


音楽室と言えば、学校の怪談話では必ずと言っていいほど何かある、不気味な教室なのに。


怖がりだからこそ、そういった話を聞かなかったのかもしれない。