もう私達の中では、八代先生が不気味の代名詞になっている。


少しかわいそうな気もしたけど、私もまだ八代先生の事を良く知らないから、何も言えなかった。


「八代先生ってさ、老けてるよね? 本当に25歳なのかな?」


理恵が呟いたその言葉に、私と留美子は首を傾げて考えた。


人を見た目で判断するつもりはないけど、あれで25歳は確かに無理がある。


「わからないけどさ、この学校の卒業生なら、昼にでも調べたらわかるんじゃない?」


留美子の言う通りだ。


調べる事は昼でもできるから、今は「カラダを探し」に集中しなきゃ。




そんな事を話しているうちに、私達は旧校舎の玄関の前に到着した。


理恵がそのドアに手をかけ、開けようとするけれど……。


「ダメだ。開かないよ、このドア」


せっかく旧校舎に来たというのに、玄関のドアは、押しても引いても動かなかったのだ。


そう。校門や、校舎に入った後の生徒玄関に張られる、見えない壁がそこにもあるように。


「あーもうっ! また戻らなきゃならないわけ!?」


「やっぱり、新校舎とつながってないから、関係ないのかな?」