私にはわからない。


わかった事は、「カラダ探し」の前に、私達の精神状態が最悪になったという事だけだった。


まもなく0時。私達は、今夜の「カラダ探し」で、どう動くべきかを考えていた。


探していない場所なんてまだまだある。


どこをどう探すか、計画を立てて探さなければ、無駄に時間が過ぎて行くだけだから。


「高広にはまだ工業棟を調べてもらう? あ、健司がいるなら、私達と一緒に来てもらうか、健司を見張っててもらう方が良いか……」


留美子の意見に、私はどう答えていいかわからない。


一緒に来てもらう方が、安全と言えば安全だけど、その代わりに、手分けして探す事ができなくなる。


それに、理恵を襲った件で、高広が健司をボコボコにしてしまうかもしれない。


どちらを取っても、何かしらの危険が付きまとうのなら、理恵の心情を優先したかった。


「私は……健司を見張っててもらう方がいいかな? 健司がどこにいるかわからないより、高広に見張ってもらっていた方が安心できるしね」


私がそう言うと、ホッとした様子の理恵。


私達と笑っていても、心のキズはそう簡単には癒えないのだ。