「ねえ、明日香……私のカラダを探して」








そこには……制服姿の遥が、私を見下ろして立っていたのだ。


「きゃああああああああっ!!」


私は、不気味な眼差しで見下ろす遥に恐怖し、シャワーチェアから滑り落ちるようにして振り返った。


ただただ私を見ている遥は、微動だにせずに……。


そして……。






窓の外から聞こえる、二階からの悲鳴。


理恵と、留美子のふたりの悲鳴が。


その悲鳴と共に感じる不安……荒くなる呼吸……。


どうして遥がここに?


よりによって、入浴中に「カラダ探し」を頼まれるなんて。


頭の上にある泡がたれて、目に入りそうになるけど、怖くてそれどころじゃない。


泡が目にしみて、目を閉じてしまう。


慌ててシャワーを取り、顔の泡を洗い流して目を開けた時……。


もう、目の前に遥の姿はなかった。


「昨日」が少しずつ変化して、昼休みに頼まれた「カラダ探し」が、こんな時間に変わってしまったのだ。


「もう! 何なのよ遥! あんた……何なのよ……」


その言葉に意味なんてない。


ただ、怖くて、不安で……それを消したくて。