あまり気にしてなかったけれど、頭を潰された時に付けられたアザはもう消えている……。


一日や二日で消えるようなアザじゃなかったのに。


きっと、「昨日」に戻る事が関係しているのだろうと思うしかない。


私は……いや、私達は何もわからないのだ。


すべて、「カラダ探し」が関係している。


アザの消えた顔を触りながら、鏡を見ていた時だった。


「え?」


鏡に映る、私の背後のドアが……ゆっくりと開き始めたのだ。




そして……その隙間から、ゆっくりと現れる白い指……。


慌てて振り返った私が目にしたものは……。







洗面所に入った時と何も変わらない、しっかりと閉じられたドアだった。


おかしいな、目の錯覚かな?


そう思い、ドアを開けてみると……。


そこには、留美子が立っていたのだ。


「留美子! もう、脅かさないでよ!! びっくりするじゃない!」


「わ、私の方が驚いたって! せっかく一緒に入ろうと思って来たのに……」


「どうせ胸を揉みたいだけでしょ!? そんなのお断り!!」


そう言って、私はドアを閉めた。