もしも、知っている人がいるとすれば、それはきっと八代先生だけ。


「わかんないよね。それより私は、遥が来なかったのが気になるわ。もしかして、このまま来なかったら、明日が来るんじゃない? それってラッキーじゃん」


私のベッドに腰かけて、笑いながら話す留美子。

私もそうなると信じたい。


このまま何事もなく明日を迎えて……普通の生活に戻りたい。


「そうだといいけど。あ、そうだ。お風呂どうする? 留美子か理恵が先に入る?」


「私は後で良いよ」


理恵がそう言うと、留美子がニヤニヤしながら私達を交互に見た。


「どうせなら、皆一緒に入らない? もう……明日香も理恵も揉みごたえが……」


「うちのお風呂はそんなに広くありません! じゃあ、私が先に入って来るから、留美子は来ないでよ!」


そう念を押して、私は風呂場に向かった。


そんな事を言ってても、留美子は来るんだろうな……と、思いながら。


洗面所のドアを開けて、正面にある鏡を眺めながら、私は考えていた。


制服をめくり、腹部を見ると、横に分断されるようにアザがある。