高広も立ち上がり、私達は旧校舎へと向かった。


「八代先生は……一言で言うと、不気味だよね」


「うん、不気味」


私達の会話を聞きながら、高広は必死に想像しているようだったけど、きっとその想像を超えた不気味さだと思う。


そして、旧校舎の玄関に来た時、八代先生と、農業科の田村先生が靴を履き替えている場面に遭遇したのだ。


「じゃあ八代先生、約束通り飲みにいきましょう」


「は、はい……僕でよろしければ……」


どうやら、田村先生との約束があったようで。
だから八代先生は、今日は話ができないとわかっていたのだ。


「あれが八代か、想像以上に不気味だな……」


結局、私達は八代先生と話す事ができずに、帰宅する事になった。








八代先生が帰るのを見届けた後、理恵と留美子は私の家に来ていた。


そんなに大きくない部屋に3人。


そこで話していたのは、八代先生の事と、遥が頼みに来なかった事、そして、少しずつ「昨日」が変わっている事だ。


「どうして『昨日』が変わったのかな? 日数が経ち過ぎたからかな……」


理恵が心配するように、今日で五日目の「昨日」。


でも、それが本当に関係しているのかときかれると、私にはわからない。