そう言って、私達を部屋から出す八代先生。


何か知っていたら、何でも良いから教えてほしいのに……。


「八代先生、私達はもう、『カラダ探し』をさせられているんです! 何でも良いから……教えてください!」


「嘘ならやめてくれないか? でも……もしも本当なら、今日の僕がどこにいるかはわかっただろう? この言葉の意味もわかるはずだ」


私の言葉に、そう呟いた八代先生は、私達の方を見もせずに、廊下の奥へと歩いていった。


その後、私達は八代先生の言う事も聞かずに、旧校舎のどこに、何があるのかを見て回った。


結局、八代先生がひとりになる時間は、私達と会っていた時間だけらしく、これ以上話す事ができなかったのだ。


そして、再び屋上に戻った私達。


「旧校舎は、そんなに探すような所はなかったねぇ」


屋上の、ドアの前にある段差に腰を下ろして、私達は旧校舎での話をしていた。


「まあ、『カラダ探し』中は、行けないかもしれないしね。それよりあの八代って気持ち悪い先生だよ、何なの? 顔も発言も不気味だったよ、『今日の僕』って何よ」


留美子もやっぱり気づいている。


あの先生が、何かを知っている事に。


「わからないけど、放課後にきけないかな? 八代先生が帰る時になら、ひとりになるでしょ?」