「キャーーーーーーッ!!」
旧校舎の廊下に、留美子の悲鳴が響いた。
留美子の悲鳴に、私と理恵も驚き、身をすくませる。
何が起こったのかわからない。
けれど、留美子の表情の変化は尋常じゃなかった。
何か、恐ろしい事が起こったに違いない。
怖くて、振り返る事ができない……。
「ちょ、ちょっと! 何で僕を見て叫ぶんだ!? キミ達こそ、授業中なのに、こんな所で何をしているんだ!?」
……え?
もしかして……先生?
そう思い、恐る恐る振り返った私が見たものは。
長身で青白い顔をした、目がギョロッとした細身の男。
思わず私も、叫んでしまいそうになったけど、そこは何とか堪える。
それでも、心臓がバクバク言っている。この先生に恐怖を感じた事は確かだ。
「あ……すみません、この部屋の花が、きれいだったのでつい……」
理恵が必死にフォローするけど、それが授業をサボっている理由にならない事くらい、私でもわかる。
「んー……農業科の生徒じゃないね。まあ、本当なら、教室に戻れって言うべきなんだろうけど。……とりあえず、3人で授業をサボった理由を、部屋の中で聞こうかな」