「やだ、離さないよーだ!」


満面の笑みでそう言う理恵にうなずき、私は留美子の胸に手を当てた。


……あれ?


つかめない。


「わ、悪かったわね! 貧乳で!! だから私は良いんだって!」


「なんか……ごめん……」


思わず謝ってしまった。


けど、こんなに笑ったのは久し振りのような気がする。


理恵も、自然な笑顔を私に向けていた。


「もう……でもさ、こんな事で笑えるならいいじゃん。笑えなくなったら……きっと私達、『カラダ探し』なんてできなくなるよ」


留美子は、そんな事を考えて、こんな馬鹿な事をしたのかな?





……それはないよね。


それに、胸を揉む必要はないと、私は思った。


胸を揉み合うなんて、馬鹿な事をして笑った後、私達は柵にもたれて、風に吹かれていた。


考えるのは、「カラダ探し」の事だけ。


「ねえ、あれが旧校舎でしょ? あそこに行くには、外に出なきゃならないんだよね? だったら、『カラダ探し』には関係ないのかな?」