これで、少しは皆との溝が埋まってくれれば……そう思って。


私が翔太を誘うと、しぶしぶ……といった様子だけど、皆の輪に加わった。


そして、まずは放送室の話から。


その時にはすでに死んでいた翔太は、疑っているようだったけど、私の言う事ならと、一応は信じてくれたみたいだ。


問題なのは、健司の事。


「それは本当の話なのか?」


「本当だって! 理恵の上にまたがってさ、ブラが丸見えだったんだよ!? マジ最低だし!」


昨夜の理恵と健司の様子を、興奮気味に話す留美子。


その話を聞きながら、高広と翔太は考え込むように目を閉じている。


考える事は、やっぱり男子と女子では違うのだろうか?


「あいつ、一体何を考えてやがるんだ? とにかく許せねぇな……」


「高広、お前は許せないって言うけど、次は健司を生け贄にするつもりか? お前は、ただ誰かを責めたいだけじゃないのか?」


「何だと翔太コラァァッ!!」


何とかなると思っていたのに、溝が埋まると思っていたのに、どうしてこうなるんだろう。


「もう、やめてよ! ふたりを喧嘩させる為に、私は話をしてるんじゃないよ!」