あの不気味な目を、私はどこかで見た事がある。


誰の目なのかと、考えても、その答えは出ない。


でも、私の周りにいる誰かの目だ。


理恵? 留美子? 


それとも3人の男子のうち、誰かのもの?


遥の目かもしれないけど、何か違うような気がする。


そもそも、遥のカラダを探しているのに、放送室に遥がいるはずがない。


「理恵と留美子、大丈夫だったかな……」


ベッドの上で身体を横にして、ゆっくりと目を開いた。


あの後ふたりは、体育館を探し終える事ができたのだろうか?


こうして、また「昨日」に戻ったという事は、皆死んだのだろう。


そんな事を考えながら、私はゆっくりと身体を起こして、机の上の充電器に置かれている、携帯電話を確認する為に立ち上がった。


「痛っ!」


毎日毎日……「赤い人」に負わされた傷が、こうも痛むと、生きているのが嫌になる。


そして、机の方を向いた私が目にしたのは……。




いつもの「昨日」なら、充電器の上に置かれている携帯電話が、机の上に直接置かれていたのだ。


「え……もしかして『昨日』じゃないの!?」


期待しながら机に駆け寄り、急いで携帯電話を開いた。