どうせ死ぬなら、放送室の中に誰がいるのかを確認してから死ぬ!


私は、握ったままのドアノブを回し、ドアを引いた。


しかし、そのドアは重く、まるで内側から誰かが引っ張っているかのように、少し開いてもすぐに閉じる。


「誰なの!誰かいるの!?」


叫びながらも、必死にドアを引く。


そして、少し開いたドアの隙間から中をのぞいた時、私は見た。







「ひっ!!」


私がのぞいたその隙間から、誰かがのぞいていたのだ。


気持ち悪くて……吐き気をもよおすような瞳。


慌ててドアノブから手を離したその時だった。












「……まっかなふくになりたいな~」


歌の、最後の一小節が唄われたのだ。


ギリギリと私を締め上げる「赤い人」の腕。


「ああ……あ……」


「昨日」も味わった、あの激痛……。


「赤い人」の腕が身体に食い込んで。


ドサッと、私の上半身が、床に落ちた。


薄れ行く意識の中で……はっきりと覚えている光景。


放送室のドアの隙間の向こう側からのぞく、不気味な目を……。