階段の手すりをつかんで、なんとか立ち上がろうとするけど、それもまた、血で滑って立つ事もできない。
「あしをちぎってもあかくなる~あかがつまったそのせなか~わたしはつかんであかをだす~」
私は順番を間違えた。まず、立ち上がってから、腕を引きはがすべきだったのだ……。
次が最後の一小節……もうダメだ。私は殺される……。
半ば諦めて、目を閉じた時。
『「赤い人」が、東棟二階に現れました。皆さん気を付けてください』
校内放送が流れて……私の背中から、重みが無くなった。
「昨日」に戻れば生き返るとはいえ、何度も何度も殺されるのは勘弁してほしい。
でも、私は殺されなかった。
「赤い人」も見てないし、まだ振り返る事もできる。
試しに階段の踊り場を振り返って見てみるけど、「赤い人」は現れない。
「た、助かったぁ……し、死ぬかと思ったよぉぉ」
一気に恐怖から解放された安心感からか、胸に込み上げる何かに押し出されるように、私の目から涙があふれた。
「明日香? 大丈夫なの!?」
「あしをちぎってもあかくなる~あかがつまったそのせなか~わたしはつかんであかをだす~」
私は順番を間違えた。まず、立ち上がってから、腕を引きはがすべきだったのだ……。
次が最後の一小節……もうダメだ。私は殺される……。
半ば諦めて、目を閉じた時。
『「赤い人」が、東棟二階に現れました。皆さん気を付けてください』
校内放送が流れて……私の背中から、重みが無くなった。
「昨日」に戻れば生き返るとはいえ、何度も何度も殺されるのは勘弁してほしい。
でも、私は殺されなかった。
「赤い人」も見てないし、まだ振り返る事もできる。
試しに階段の踊り場を振り返って見てみるけど、「赤い人」は現れない。
「た、助かったぁ……し、死ぬかと思ったよぉぉ」
一気に恐怖から解放された安心感からか、胸に込み上げる何かに押し出されるように、私の目から涙があふれた。
「明日香? 大丈夫なの!?」