100%安全だとは言い切れない事が、私は嫌だった。


「留美子、3人で固まって動こうよ」


今、留美子が言ってた事なのに、もう忘れたのだろうか?


「あー……そうだね、皆で一緒に行かなきゃね」


本当に、忘れてたみたいだ。


理恵の肩に手を回して、そっと立たせる。


そして、留美子と一緒に教官室を出た時だった。







『「赤い人」が、生徒玄関に現れました。皆さん気を付けてください』








再び、校内放送が流れた。


「生徒玄関……かなり近くに来たよ!?」


私達はどうすればいいのか。


チラリと目をやった体育館の入り口。


私達が開けたままの状態で、「赤い人」が見れば、ここに人がいる事がわかってしまう。


「留美子、理恵、扉を閉じないと!」


私の言葉で、扉に向かって走り出す。


そして、扉の前に来た時に私が見たものは……。


廊下の向こうから、こちらに向かって走ってくる人影。


もしかして、「赤い人」に追われてるの?


「誰かが来る!」


「早く閉めて!!」


留美子の判断は早かった。