健司の不可解な行動に、怒りをあらわにする留美子。


留美子じゃなくても、あれは私だって怒る。


健司には目立った非は無かったのに……。


怖がる女子を、無理矢理犯そうとするなんて、最低だ。


「もうさ、男子なんかいいじゃん……あいつらの誰かとふたりきりになったら、レイプされちゃうよ。私達は3人で動こう」


まだ泣いている理恵の頭をなでて、留美子が優しく声をかける。


健司から事情をきくのは明日にするとして。


今、理恵は動ける状況じゃない。


こんな時に、『赤い人』が現れたら……。


そう考えていた時。







『「赤い人」が、西棟三階に現れました。皆さん気を付けてください』







校内放送が流れた。


でも、西棟三階なら、ここに来る可能性は低いはず……。


それに少し安心して、私達は理恵をなぐさめた。


「そう言えばさ……気になってる事があるんだけど」


しばらくして、理恵の背中を擦って、留美子が首を傾げた。


留美子が気になってる事ってなんだろう?


気になる事がありすぎて、どの事を言っているかがわからない。