早くも、何かが起こりそうな気がして……。


それに、皆の事は気になるけど、今日も健司の顔色が悪いのが特に気になる。


頭に手を当て、痛みに耐えているかのような姿が。


これが「カラダ探し」に影響しなければ良いんだけど。


そんな事を考えていると……。


私達の目の前のドアが、ゆっくりと開いた。


「じゃ、テメェらは好きにやれや。『赤い人』を見ても、工業棟には来るんじゃねぇぞ」


高広はそう言うと、唾を吐き、西棟へと歩いていった。


健司と翔太はどうするのだろう?


ここに呼ばれてから、まったく話をしないから、どこに行くのかがわからない。


「まあいいじゃん。私達は体育館に行こ。あそこは広いから、3人でも多い事はないよ」


そう言いながら歩き出す留美子に、私と理恵は付いていくしかなかった。


これ以上、分裂しないように……もしも、理恵と留美子が喧嘩をした時でも、何とか私が仲裁すれば大丈夫だと思う。


私さえしっかりしていればと、そう思いながら、東棟の一番奥、会議室や校長室の前の廊下の突き当たり。


そこに、重い金属製の扉がある。


体育館の入り口。


昼間なら、西棟からでも行けるけど、それには一度外に出なければならない。