そんな話をしているうちに、時刻はまもなく0時になろうとしていた。





そして、その時は訪れた。


私達は学校の玄関の前に集められ、いつもは思いもしない、ドアが開くその時を待ち続けていた。


私達女子は集まっているけれど、男子はそれぞれひとりで、別の方向を向いているのだから。


ここまで来たら、早く開いてほしい。


ただでさえ重い空気に、気まずさがプラスされて、とてもじゃないけど、いられたもんじゃない。


「私達、今日は体育館を調べるからね。あんた達は違う所にしてよね」


そんな空気の中、留美子が男子達にそう言い放った。


まるで、男子は邪魔だと言わんばかりに。


これも、翔太の行動が発端となっての事だろう。


「おう、じゃあ俺は工業棟に行くからな……テメェらは勝手にしろ」


高広も高広で、協力するつもりはないようだ。


まあ、手分けして探すなら単独行動の方が良いし、居場所がわかっているなら「赤い人」の対処もしやすい。


しかし、翔太も健司も黙ったままで……何も言わずに高広に背を向けていた。


その態度に怒るかと思いきや、高広も「チッ」と舌打ちするだけで、何も言わない。