「どうだろ? 外には出られないけど、体育館は校舎とつながってるからね、もしかしたらあるかも」


「じゃあ、屋上は? 校舎だけど外じゃない? 微妙だけど」


などと、結局は「カラダ探し」の事ばかりを話している。


早くこの、繰り返す「今日」から抜け出すには、私達だけでも頑張るしかないのだ。


男子がバラバラになっているなら、女子だけでもまとまらないと。


「こうやって考えるとさ、私達が入った事がない教室多すぎない? 工業棟とか、どんな部屋があるのかわかんないし」


留美子の言う通り、入った事がない教室の方が、入った事のある教室よりも多い。


だから、部屋の中がどうなっているかもわからないし、何が置かれているかもわからない。


つまり、どこにカラダが隠されているのか、推測すらできないという事なのだ。


「とりあえず、今日は体育館調べてみる?」


推測ができないから、理恵のその提案を、拒否する理由もなかった。


レストランの閉店時間まで話をしていた私達は、その後店を出て、0時までの後一時間、何をしようかと考えながら街を歩いていた。


相変わらず冷たい風が吹く寒い夜。