でも、こんな状況で、よく遊ぶなんて思えるなと、私は思った。


「私、思ったんだよね。『今日』になったら、使った金も元に戻ってるわけじゃん? だったら、カラオケでもして、ストレス発散しない?」


そうか、そういう考えもあるのか。


でも、それにはひとつだけ心配事があった。


「でもさ……もしも『カラダ探し』が終わって明日が来たら……お金が減ったままになるんじゃないの?」


「そんなの……まだカラダを6つも探さなきゃならないんだよ? 最後のひとつを見つける日に、使わなきゃ良いだけじゃん」


どういう理屈でその考えが正しいと思っているのかわからないけれど、私と理恵は、留美子に押し切られる形で、遊びに行く事になった。


ひとりでいると、悪い事ばかり考えてしまうから、0時まで時間を潰すにはちょうど良いかもしれないと、私も思うようになっていた。






「そういえばさ、体育館とかにもカラダってあるのかな?」


いつもは行かないような、少し高めのレストランで私達は話をしていた。


カラオケも良いけれど、歌を唄おうという気分になれないという事と、歌は「赤い人」を思い出してしまうという理由からだ。