もう、留美子と翔太の仲は、修復できないくらいヒビが入ってしまっている。


後一回でも何かあれば、確実に壊れてしまいそうな程のヒビが。


いや、すでにもう壊れてしまっているかもしれない。


夜の「カラダ探し」で、変な事が起こらないといいけど……。


私には、そう祈る事しかできなかった。





放課後になり、男子達は早々に帰宅した。


教室に残っているのは、私達3人だけ。


生きる為とは言え、翔太があんな事をしなければ、皆の心がバラバラになる事はなかったのに。


私もあの時は怒ったけど、このままじゃあ、皆が自分勝手に動いてしまう。


そして、目には目を……自分が生きるためなら、友達ですら犠牲にする。


そんな予感がしていた。


「ねえ、明日香聞いてる? 私の話」


目の前で振られている留美子の手に気づき、ハッと我に返る。


「え? あ……ごめん。考え事してて……何?」


「だから、どうせ0時になったら学校にいるわけじゃん?だったらさ、それまで遊ばない?」


いかにも留美子らしい考え方だ。