3人というのを強調する事が、私にできる精一杯の抵抗。


これ以上、皆が分裂しないように。


「でもさ、男子はバカだよね。健司が振り返ったんでしょ? それで死んだんだから、高広怒ってるよ……きっと。翔太も健司も高広も……皆、喧嘩になるんじゃない?」


その留美子の言葉は、私の考えを完全に否定するものだった。


それでも、女子だけでもまとめようとしているように思える。


男子はどうなっても良いという印象は受けたけれど。






学校に着き、教室に入ると、早くも高広と健司のふたりが喧嘩をしていた。


話の内容はいたってシンプル。


「どっちが悪い」という事で罪のなすり付け合いをしているだけ。


クラスメイト達も、高広に暴力を振るわれたくないのか、見て見ぬふりを決め込んでいる。


「健司テメェ! 何振り返ってんだよ! あぁん!? テメェのせいで俺まで死んだだろうが!」


「高広が死んだのは俺のせいか? 違うだろ? 俺が殺された時に、すぐに逃げれば良かったんだ。後でカラダを取りに行けば、死ぬ事はなかったかもしれないだろ? それを俺のせいにするな。それに、あの作戦を立てたのはお前だろ!」