1週間ぶりの屋外は、夏まっさかりという天気だった。

 朝というのに日差しは強力にふりそそぎ、今日の暑さを予告しているかのよう。精神が落ち着いているのか前回までの寒い感覚はなく、太陽は霊である私にも平等に夏を感じさせてくれている。

 病院に入ると、今回は迷いなくエレベーターに乗り込む。

「緊張してるか?」

「ううん、そうでもない。おばあちゃんに会えるのが楽しみ」

「お前ってやつは・・・」
声だけでもクロが苦笑いしているのが分かって、私も微笑んだ。

「身体が光ればいいんだっけか」

「そう。その間だけお前の姿は相手から見えている。消えれば、そこで相手からも見えなくなるが、それは未練が解消されたって合図だ」

「分かった」
短く答えて、開いたドアから廊下に出た。