手を離して、3人を見る。

 タキも、栞も、蓮も・・・。

 次に目を覚ました時には会えなくなっているんだ。

 リアルじゃない分、実感がわかない。

「また・・・会えるよね?」

 言葉は涙声になり、視界はぼやける。

「さようなら、蛍ちゃん」
タキ。

「さよなら、蛍」
栞。

「またな、蛍」
蓮。

 
 去るのは自分だった。

 残されるのではなく、自分で『生』を選んだから。


「私、生きるから!がんばって生きるから!」

 精一杯叫ぶ。