次の日から忙しい。
パートへ行くふりをして
色んな手続きをする。
新しいスマホも買った。
そして私は離婚届を書いている。
本籍地以外で提出する時は、戸籍謄本だか抄本が必要らしい。
親は引っ越ししたけど
本籍地はここだから
いいのかな。
あと何だ
成人の証人がいるんだ。
期間限定
ポテチのかき醤油味を食べながら、指を拭いて書きまくる。
あ
ちょっと油のシミがついた
いいや。
貴ちゃんは書類とか一切
そーゆーのはダメなので
私が代りに書いている。
証人は
親戚のおじさんの名前といとこの名前を借りて、ダイソーで買った判子を押す。
よしよし
いいじゃん。
あとは
気に入っているマグカップと服をまとめて、おしまい。
「ただいまー」
「おかえりー」
「お前の方が早かったのか」
「うん」
「今日も疲れた。いいなぁお前はパートで……早く何か作れよ」
「うん。今日は貴ちゃんの好きなサーモンのお刺身買ってきた」
「それ食べる」
普通の会話をしながら
貴ちゃんの顔を覗き見る。
綺麗な顔を
しっかりスキャンしてから
しっかり脳内シュレッターで断ち切る。