「あのっ!」
のび太君は初めてのナンパのように
額に汗をかきながら私の前に仁王立ち。
「はい」
声は出てるのか?
私の声は
出ているのだろうか。
「病院に来た方ですよね」
はっきり言われて背筋が伸びる。
気付かれた。
心臓が早鐘の様に鳴り
血圧が一気に上昇した分
足元がガクガク震えてしまう。
「性病で来た方ですよね」
堂々と言ってから
マズい顔して自分の口をふさぎ、あちこち見渡す。
「えっと……」
どうしよう
何て言えばいいんだろ。
私は
のび太君と
えっちしたいけど
会話は
したくなかった。
だから
どうしていいのか
わからない。