何度か同じ会話を繰り返し
「じゃぁ帰るね」ってそう言うと
「うん」ってまたベッドに横になる。
「元気でね」
「元気だよ」
「これからは貴文と綾子が面倒みるから」
私が言うと
急にお義母さんは起き上がり
必死な顔で私の腕をつかむ
その力は
とっても強く
心に迫る痛さがあった
「弥生ちゃんは来ないのかい?」
目が真剣だ
ある意味
イッちゃってるぐらい真剣な目で私に迫る。
貴文と綾子の名前を出し
今度から二人に面倒を見てもらえると思ったら、絶対喜ぶと思っていたのに。
「うん来ないよ」って答えると
義母さんは「私は弥生ちゃんがいい」って
急に泣き出した。
子供の様に
お義母さんは
大きな大きな声で泣き出した。
その泣き声は
切なくてつらくて
心に沁みて
私も
一緒に泣いていた。