テーブルの上には

チョココロネ
クリームコロネ
ジャムコロネと煎茶が並ぶ。

ただ
ひたすらに胃に入れて
今日の事を思い出す。

あれから
隣町まで足を伸ばし
病院に行って
薬をもらって帰ってきた。

こんな偶然
いらなかった。

テレビの中で
中華料理店で働くピン子さんが、赤木さんに嫌味を言われて謝っている。

この後きっと
ピン子さんはえなり君に八つ当たりするだろう。
そしてえなり君は
『だってしょうがないじゃないかー』って言うのかな。

だって
しょうがないじゃないかー

好きになってしまったんだもん

性病になってしまったんだもん

先生だったんだもん

悲しい冬の西日が窓に入り
薄汚れたテーブルのホコリを輝かせ、コロネを汚く見せている。

だって
しょうがないじゃないかー

テーブルに突っ伏し
大きなため息をついていると
携帯が鳴り

ピン子から電話だと知る。