アパートの駐車場に車を停め
ずるずると重い足取りで外階段を上る。

宇宙人も秘密結社も
今日はお日柄が良くないのか
私の前に現れず
私は無事に家に到着してしまった。

ドアノブを回しながら
鍵がかかっていればいいなって希望を持つけど、希望は叶わずノブは回る。

宇宙人さん
明日待ってるよ。

「ただいまー」
そう言うと

「おかえりー」
そんな返事。

狭い廊下の向こう側
貴ちゃんはジャージに着替え
ソファに座ってビールを飲んでた。

日常。

半乾きの洗濯物が蛍光灯にさらされる。

カーテンを引いてないから
外から洗濯物が丸見えだろう。

私は着替えもせず
カーテンを閉めて部屋を見渡す。

あぁ
掃除機使いたかった。

でも
もう遅い。

座り込んでる人は
絶対動かない。

お尻に接着剤が付いてるように

絶対
動かない。