のび太君は車じゃなかった。
エコバック?
図書館用なのか
歩きながら器用にコートのポケットから茶色い袋を取り出し、借りた本を入れる。本をきちんと扱う様子がいいね。
四次元ポケットみたい。
微かに笑い
つかず離れずで尾行。
のび太君はゆっくり優雅に歩き出す。
王様のようにゆっくり歩く。
通り過ぎる図書館の庭
ビロードの空に輝く星が王を照らし
枯れた草花が頭を下げる。
そして私は下僕
王様の後ろに傅き(かしずき)自分を殺して王の為に生きる。
背中を丸めコソコソと付いて行き
王が足を止めたその先は
コンビニだった。