決着。その単語が頭にのこった。
 

そうか、ナギ・ユズリハは自分で選んだのかもしれない。

最初は強制的に描かされていたとしても、いずれかの段階でそれを選択した。
 

かなしいのは、それが本当に本人の意思なのか、それとも造られた遺伝子によるものなのかはわからいこと。

話を聞く限りきっと彼は「絵を描く才能」を特化して生まれてきたのだろう。
 

もっとも、遺伝子的なものと本人の意思のつながりなんてわたしにはわからない。

だって、わたしは一体どうしてジーンリッチとして生まれてきたのか知らないから。

わたしの意思のなにが遺伝子の影響を受けているかなんて、想像すらできない。
 

でも、いずれ決着がつくときがくるのだろうか。

もし決着がついたらそのときはどうなってしまうのだろうか。