どこからともなく教師が現れ、桜塚たちは連れていかれた。
堀越恭子たちは抵抗を見せていたけれど、あの映像に映っていた、少なくとも暴力に加担していた人物は、みんな。

ぼくは教室の隅で仰向けに寝転がったまま、聞こえてくる会話や音だけで、なんとなくそれを見ていた。

指一本動かせない。自分で立ち上がることもできない。
未だに状況は飲み込みきれて、ないけれど。

…終わった、のだろうか。
月子ちゃんは、どうなったのだろう。

ようやく撫で下ろした胸に、そっと誰かが触れた。
ふと視界が陰り、頭が浮く感覚。
ぬるりとした感触が頭をつたい、そして同時に柔らかくて温かい感触がした。

ぼくはどうやら、膝枕をされているらしい。

「……月子ちゃん…」

ああ、良かった。無傷、とまでは言い切れないけれど。
無事で、良かった。

「なに、してるのよ…」

なんだか久しぶりに会った気がする。
ずっと、離れていたからかな。
そういえば入れ替わるようになってからぼく達、ずっと一緒に居たよね。

「死んじゃったら…どうするのよ…!」