お母さんは流産しかけていた。
だけどお腹の赤ちゃんもお母さんも大事には至らず、数週間の入院の後、お母さんは家に帰ってきた。

お母さんは『大丈夫よ』って笑ってあたしの頭を撫でたけれど、だけど知っている。
気付いている。

あたしのせいだ。
あたしが、瑠名を。

あたしの言葉が、瑠名を。
瑠名を、殺そうとしたんだ。

それでも瑠名は、生まれてきてくれた。
こんなあたしの妹に。

嬉しかった。
そして同時に、哀しかった。
瑠名に申し訳なくて仕方なかった。

だけどあたしにはもう泣く資格もないと思った。