おばあ様と悠が、驚いた様子であたしを見ていた。 「ちづ…?」 「……っ――…。」 あたしの頬を、涙が伝う。 心は震えていた。 「千鶴さん?」 顔を上げると、おばあ様が心配そうにあたしを見つめている。 「――お会いできて嬉しいです…小夜子さん。」 庭で、ハナミズキが咲いていた。 春の雪が降り続く。 あたしは自分の腹に触れた。 命が聴こえるよ。 こんなにも、温かい。