夏休みが終わり、あたしは二学期から学校に通うようになった。
あたしにとっては大きな一歩だけど、何が変わったわけでもない。
美季たちの冷たい視線や陰口、悪口は相変わらずだし、高嶋たちからの嫌がらせも続いてる。
でも、変わったこともあった。
始業式の日、久しぶりに学校へ行くせいで緊張していた朝。
悠と愛美が、あたしを待ってくれていた。
「ちづ…一緒に学校行こう。」
困ったように笑いながら愛美が言った。
その少し先で、悠が「遅刻するぞっ!」と叫ぶ。
あたしの中にあった不安や恐れが消えていった。
大丈夫だって思えた。
二人のもとへ、笑顔で駆けてくあたしがいた。