夏が終わり、外はもう秋の匂いがしていた。
でも、まだまだ残暑厳しく、テレビのニュース番組じゃ「猛暑、猛暑」と騒いでいる。
「悠っ!ゴメン、寝坊したっ!」
「またかよ!」
うんざりした様子で待っていた悠。
やれやれ、とでも言いたげな顔をしてる。
「大体!ちゃんと試験勉強してんのか?ただでさえ、一ヶ月も学校来てなかったんだから!」
「あ…。」
「…忘れてただろ?」
そう言われて、笑って誤魔化してみる。
悠は、溜め息を吐いた。
「ったく、しょうがねぇな。今日の放課後、教えてやるよ。」
「あっ無理!今日、愛美と買い物行く約束してんの。」
「…お前なぁ。」
悠はすっかり呆れているようだ。
あたしは苦笑するしかない。