白線が途切れた先に、 花を咲かせた木があった。 月光に照らされた白い花は、本当に雪が積もっているように見える。 「花が…咲いてる。」 悠が驚いた様子で呟く。 季節外れの雪が降る。 季節外れの花が咲いている。 涙が溢れた。 もう、止めることなんて出来ない。 60年以上前に、幸生とばあちゃんも、この場所で同じ花を見ていたんだ。 大きな感動が、あたしを優しく包み込む。