あたしと悠は、シャベルを手に散らばった。
ふと、幸生に視線を移すと、膝に手をついて呼吸を整えているところだった。
あんなに苦しそうにしながらも、幸生は諦めようとしない。
この夏、あたしは一番近くで幸生を見てきた。
純粋で、真っすぐで、熱くて。
笑う時も、泣く時も、怒るときも本気で、
人間臭い幽霊で。
硝子玉みたいな目をしてて。
あたしに命の大切さを、
生きる意味を、
明日があるってことの幸せを教えてくれた。
だから、
あの雷鳴の夜の出会いは奇跡だったって思う。
幸生に出会えてよかった。
あたしも、絶対に諦めないよ。