幸生くんと小夜子ちゃんは見つからないままでしたが、死体の回収をしている様子をよく目にするようになりました。
回収しているのは兵隊のようです。
死体をトラックの荷台に積み上げていくのを、私は見つめていました。
もしも幸生くんがいたら…。
小夜子ちゃんがいたら…。
そこまで考えて、私は自分が恐ろしくなりました。
幸生くんも、小夜子ちゃんも、もしかしたらどこかで生きているかもしれないのに何を考えているのか。
私は幸生くんの言葉を信じています。
でも、日が経つにつれて不安はどんどん大きくなっていきました。
私の心は揺れていました。
不安に押し潰されてしまいそうだったのです。