何かに追われていたみたいに、ただ歩き続けて。
特に意味もなく、
夜の公園にたどり着いていた。
頼りない電灯が、私と佐倉くんを照らす。
繋いでいた手を放し、私の手には熱が残る。
膝に手をついて乱れた呼吸を整えていると、頭上から佐倉くんの声が降った。
「偶然見かけて…ラブホ街に向かっていったから…。」
だから、追ってきてくれたのか。
佐倉くんがいなかったら、今頃どうなっていたか分からない。
そう思うと急に身体が震えだして、私はその場にしゃがみ込んだ。
「芳乃さん?」
「…っごめ…。」
カタカタと震える私を、佐倉くんが支えるようにして触れた。
「私っ…ちょ、びっくりして…。」
自分でも無意識のうちに溢れだす涙。
次から次へと溢れて止まらない。