賑わう繁華街、
いくつものネオンを越えて路地裏へと入っていく。



「江古田さん、どこに…?」





私の手を握ったままどんどん歩いていく、
私はその背中をただ見つめていた。


それほど広くはない、でも江古田さんらしい背中だと思った。






「芳乃さん。」


「はい…?」


「結婚するにあたって一番重要なことって何だと思いますか?」


「え…さ、さぁ?」


急に自信に満ちたような江古田さんの態度に、正直ついていけてない。






「僕はね、性の一致だと思うんです。」


「………は?」










……この人、いま何て言った?




「性の不一致を理由に別れる夫婦もいるくらいです。そのくらいセックスは重要だと僕も思います。
夫婦の夜が充実してこそ、温かい家庭を築けると思いませんか?」


「は、はぁ…。」


「僕は、芳乃さんと結婚を前提にお付き合いしたいと思っています。
ですから、その為にも確かめてみましょう?」


「へっ?な、何を…!?」





江古田さんが急に立ち止まって、私も立ち止まる。




そこで、私は初めて気づいた。






周囲を見渡せば、ホテル。ホテル。ホテル。

右を見ても、左を見ても、ホテル。




そして、私たちが立ち止まった場所にも……目の前にはラブホテル。